伊坂幸太郎『砂漠』

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今回紹介する本は、伊坂幸太郎の『砂漠』です。
主人公の北村が大学で知り合った四人と過ごす日常を描いた作品です。
麻雀や合コンなど、大学生活によくある出来事や、それぞれの身に起きた大事件。
そのときは大きな出来事なんだけど、大学生活において、それらは一瞬で過ぎ去って思い出になっていきます。
この本は、その思い出を切り取って、「こんなこともあったなー」と懐かしむ感じで進んでいきます。

努力のあとに小さな奇跡

麻雀に勝つため、彼女を作るため。そんな感じの目的で、北村と仲間たちはいろんな努力をします。
彼らはとても真剣で、そんな姿を見て、周りはちょっとずつ力を貸します。
すると、彼らの努力の結果が重なって、最後に奇跡が起きます。

「だいたいこんな感じ」

でも、大学生活という日常は一瞬で過ぎ去っていきます。
そのときは大事件で、大きな奇跡だと思っていたものも、過ぎ去ってみれば小さな出来事、小さな奇跡になって、思い出の箱に収まります。
各章の終わりでは、大きな事件を語ったあと、「彼女ができた」とか小さなできごとを並べて、「だいたいこんな感じ」で締めくくります。
大きな事件も小さなできごとも、いっしょくたに大学生活の思い出になっている感じで、とてもステキだと思いました。
なんてことないように時間は進んで、大学生活が終わりますが、北村たちの人生はこれからもずっと、大学生活と同じように続いていくんでしょう。

それぞれが魅力的で、ステキな物語

主人公の北村を始め、それぞれが大小の事件を通じて少しずつ変わっていく。
その変わったこと、変わっていくために努力したことがそれぞれの事件に小さな奇跡を起こす。
大きな事件はないけれど、北村たちがこれからの人生をいくための大切な思い出がつまったステキな物語です。
あと、西嶋と最後の鳥井はかっこ良すぎると思います。